■ 故障原因と処置
1.冷えない、止まったり動いたりする、機械が古い等の場合、ガス漏れ検査を。
● ガス漏れの色々と処置例
「重要」
フロンガスは、オゾン層の破壊や地球温暖化に影響を与えるガスとして指定され、大気中への放出が禁止されました。その為、機械の廃棄やガス回路修理時に、フロンガスを外に漏らさず回収する事が義務付けられました。又、お使いの機械からのガス漏れも放置できなくなりました。(修理が必要です、冷媒の補充のみは出来ません。)
2.動かない、音が大きい、冷えが悪い等の場合、凝縮器の洗浄を。
● 凝縮器汚れの色々と処置例
フィルターの掃除はもちろんですが、フィルターを通過した埃などが写真の様に凝縮器内部に溜まり、目詰まりします。こうなると、冷却能力は落ち消費電力は上がります。さらに進むと、機械は止まります(高圧カット)。この予防に、定期的な凝縮器洗浄を勧めます。
「注意」
洗浄水が、電気部品に掛かると漏電事故の危険が高まります、一層の注意を。又、汚れた洗浄水が流れ出ますので、シミ、汚れ、漏水にも注意が必要です。
3.冷凍庫の場合、作業に応じ手動で霜取りを。
● 冷却器霜付きの色々と処置例
品物の補充等で出し入れが多いと、扉の開口時間が長くなり冷却器に霜が多く付きます。冷蔵庫は、普通3℃前後なので、コンプレッサーが止まれば、霜はプラスの庫内温度で、ある程度融けます。でも冷凍庫は融けません次の霜取まで増えるのみです。冷却器に付く霜が多くなると、自動霜取だけでは全て取り切れず残り、これが続くと冷却器は霜で覆われ、冷風の通路が塞がり冷えが悪くなります。このトラブル予防に、扉の開口時間の長い時は、手動霜取の追加を勧めます。(改善しない場合は、修理依頼を)
「注意」
扉の開閉が多いと、庫内温度は上昇します。この時点で霜取を行うと、更に上昇します。この問題改善は、扉の開閉が減り庫内温度が下がる時間帯に行う事を勧めます。
4.冷却器に付く霜が、部分的で冷えが悪い。(ガス漏れ?)
霜が冷却器全面に均一に付かず、特に膨張弁、或いはキャピラリーチューブ付近に付く時は、ガス漏れの疑いあり。
5.冷却機器の冷えが悪くなる要因の上位は、凝縮器の汚れ
<写真クリックで拡大>
写真①:洗浄前 汚れで目詰まりしている 高圧:2.8Mp |
写真②:洗浄後の試運転 15分後(乾燥を待つ) 高圧:2.25Mp |
写真③:②にフィルター取付 高圧:2.3Mp ②より少し上昇(問題なし) |
*高圧は、冷やす能力に大きく影響します。
*高圧が下がると、良く冷える様になります。更に運転音も静かになり消費電力も減ります。
保守に付いて
1.年に1回は、凝縮器の洗浄を勧めます。但し油汚れの場合は、2~3ヶ月に1回、付着した油が固形化する前に洗浄される事を勧めます。固形化すると落ちなくなります。凝縮器交換となり、修理費は高額です。(場所が悪いと機械交換です)
6.その他の故障診断と処置の色々
*見たい画像クリックで拡大。
7.こんな事はありませんか。
[これまで冷えていたのに、冷えが悪くなった]こんな時、温度調節器(サーモスタット)の設定温度を下げる。でも温度は下がらない。
〈理由〉
「サーモスタットを下げても、冷やす能力は増えません。」なので、その時点の温度より下がりません。不具合が発生しています。(凝縮器、冷却器の目詰まり、ガス漏れ等)この様な場合は、点検か修理の依頼を!
*温度調節器の設定は、保存する品物に合った適温に設定し、品物の種類が変わらないなら触らない。(変更しない。)
<重要>
1.業務用機器の冷媒回収や充填は、都道府県に登録された第一種フロン類充填回収業者しか行えません。
* 家電(家庭用冷蔵庫、エアコン等)、自動車(カーエアコン)は、別の法律で規定されています。
2.ガス漏れ検査は、(社)日本冷凍空調設備工業連合会の冷媒フロン類取扱技術者証を持つ技術者に依頼されることを勧めます。
3.凝縮器洗浄は、資格は必要ありませんが、洗浄と合わせ運転状態の点検が出来る、冷凍機に詳しい技術者が最善です。特に、冷凍機は高圧ガス(危険物)を使用していますので、専門の技術者に依頼される事を勧めます。